ドロー系のインタフェースを採用しています。 画面左のメニューより、プレースやトランジションなどをマウスで選択し、 任意の場所をクリックすることで、オブジェクトを配置することができます。 黒トークンやトランジションなどは、値や関数などの設定事項を入力 しなければなりません。

●配置するオブジェクト

• プレース
  プレースの配置後、トークンを配置したり、トランジションとアークで接続 することができます。
• トランジション
  配置後、トランジションの入出力を双方とも接続することで、 トランジション関数を記述することができます。 関数の記述は１行ごとに行い、 論理式で使用可能な演算子は次のとおりVerilog-HDL同様です。 記号の優先順位は表の上に行くほど優先されます。 また、式中の同じ記号の優先順位は、右の記号よりも左の記号のほうが 高くなっています。

  演算 記号 機能 括弧 ( ) 小括弧のみ NOT ~ 1の補数 AND & 論理積 XOR ^ 排他的論理和 OR | 論理和

  関数の記述例 sum = a_in ^ b_in; c_out = a_in & ( b_in | c_in ); 記号の優先順位 () > ~ > & > ^ > | 式中の同じ記号の優先順位については、右の記号よりも左の記号が高くなります。

  ガード式は、トランジション関数の最初に記述する必要があります。 右図のように、上のトランジションには右の関数、 下のトランジションには下の関数が設定されている場合、 上のトランジションのみが発火可能となります。 また、競合する入力プレースを複数接続する場合も、トランジションの同時発火が 起こらないようにガード式を記述する必要があります。

• アーク
  メニューのアークを選択後、矢印元にプレースを選択し、矢印先に トランジションを選択すると、プレースとトランジションが接続されます。 また、矢印元にトランジションを選択し、矢印先にプレースを 選択すると、トランジションとプレースが接続されます。
• 黒トークン
  空のプレースにのみ配置することができます。 配置後、値を設定する必要があります。
• 白トークン
  黒トークンが配置されている位置の直前のプレースにのみ配置することができます。 保持する値などの設定を行う必要はありません。
• ウージ
  ウージから出るアークは、プレースに接続します。
• ケムマキ
  ケムマキに入るアークは、プレースから接続されます。

●BSPの構築

• オブジェクトの配置
  
  プレースやトランジション、ウージやケムマキを、 好きなだけ好きなところに配置します。 マウスの中央ボタン、もしくは[Ctrl]キー＋マウスの右ボタンを押しながら ドラッグすることで、画面を移動させることができます。

  拡大縮小ボタンで、スケーリングを調整することができます。 ホイールマウスのホイールでも、同様に拡大縮小を行うことができます。

• オブジェクトの接続（関数を特に設定しない部分）
  
  メニューからアークを選択し、 接続元と接続先を順に選択することで、オブジェクトを接続することができます。 オブジェクトの配置されていない座標をクリックすることで、経由点を取ることができます。

  すでに接続されているアークと同方向の接続を行うと、アークをつなぎなおすことができます。 また、逆方向の接続を行うと、アークを削除することができます。

• トランジション関数の設定
  
  配置されているトランジションをダブルクリックして設定ウインドウを開き、 トランジション関数を記述します。 配置された初期状態の関数は、o1=i1;となっています。 例では、加算を行います。
• オブジェクトの接続（関数を設定した部分）
  
  トランジションの入力変数に接続するには、まずアークの入力としてプレースを選し、次にトランジションで右クリックします。 すると入力変数のリストが現れるので、接続したい入力変数を選択します。すると接続されたアークに、入力変数が 表示されます。また、トランジションの出力変数から接続するには、まずアークの入力としてトランジションを選択する時に、 右クリックします。すると、出力変数のリストが現れますので、その中から出力変数を選択します。そしてアークの出力として プレースを選択します。
• トークンの配置と設定
  
  初期マーキングとなるトークンを配置します。 メニューよりトークンを選択し、空のプレースをクリックすると黒トークンが配置されます。 黒トークンの初期値は0となっており、ダブルクリックすると1となります。 配置された黒トークンを右クリックすると白トークンが配置されます。
• ウージ、ケムマキの設定
  配置したウージ、ケムマキをダブルクリックして設定ウインドウを開き、 保持する値、もしくは値の入出力先を設定します。

  ウージ
  
  値の設定は、「値の保持」か「値を流す」のどちらかを選択することができます。
  流す方向は、ビット列の上位ビットからか、下位ビットからか選択します。

  Input nameはウージの名前です。これはモジュールとして使用する場合の入力端子名として 、またVerilog-HDLやC言語への出力の場合に使用されます。

  ケムマキ
  
  出力には、シミュレーション時にケムマキが消費する値が 表示されます。 受け取るビット列を、どちらから構築するかBigもしくは Littleで選択します。 照合には、照合したいデータを設定します。

  破棄にチェックをつけた場合は、 消費する黒トークンの値は表示されません。

  消費しないにチェックをつけた場合は、トークンを消費しません。

• BSPモジュール名の設定
  BSPにたいしてモジュール名を設定します。 [ツール]->[BSPプロパティ]を選択し、Module nameを記述します。 モジュール名はアルファベットから記入してください。
  
• 保存
  作成したペトリネットを保存します。 ファイル名を指定して保存、もしくはクイックファイルへ保存します。 ファイル名はモジュール名.bspとしてください。

●エディットツール

• 連鎖配置
  プレース、トランジションを、アークで接続しながら連鎖的に配置します。
• ハンド
  配置したプレースやトランジションなどを、マウスでドラッグすることで、 移動することができます。

  トラッキングにより、領域を指定することで、領域内のオブジェクトが選択されます。 選択したオブジェクト全体を、コピーしたり、移動したりすることができます。 また、[Ctrl]キーを押しながらトラッキングを行うことで、選択するオブジェクトを 追加することもできます。

• デリート
  選択したオブジェクトを削除することができます。 メニューからデリートを選択後、マウスで削除したいオブジェクトを クリックすると接続されているアークと共に削除されます。 プレースにトークンが配置されている場合は トークンが削除されます。
• 拡大・縮小
  表示スケールを変更することで、ペトリネットの広い範囲を見ることができます。 マウスホイールでも同様のことができます。 [s]キーを押しながらこの操作を行うことで、シャドウの拡大縮小を行います。

  シャドウマップについて
  シャドウマップはBSPの全容を表示します。左図が通常の画面で、右図は[Space]押下している状態です。 この状態でも画面をドラッグすることで移動できます。
  

• クリア
  配置されているオブジェクトを全て削除します。これ以前にコピーを行ったオブジェクトは 削除されないので、全て削除を行った後も貼り付けることができます。
• クイックセーブ
  一時保存ファイル(temp.pol)に保存します。
• クイックロード
  一時保存ファイルを読み込みます。
• 整列
  選択されているオブジェクトを整列させます。整列させたいオブジェクトを選択し、 右クリックメニューにより選択することができます。
• 連続配置
  貼り付けを連続して行います。 右クリックメニューにより選択することができます。
  

  �@コピーしたいオブジェクトを選択しTE…	�A縦に連続配置。
  �Bいくつ？２つ。	�Cぺたぺた。

  ちなみに、使ってれば分かることですが、「コピー」した時のマウス座標と「貼り付け」した時の 座標は同一座標として扱われます。なので、ある選択範囲の右上で右クリックして「コピー」し、 別の位置に「貼り付け」した時のマウス位置は、貼り付けた範囲の右上になっています。（うーん、わかりにくい）
• 重なりチェック
  配置されたオブジェクトが重複していないかチェックします。
• ヘルプ表示
  なんかのチェックをした時になんか言われたり、コンパイルが失敗したときにこの ボタンを押すと、そのオブジェクトの場所に移動します。 また、ヘルプメッセージが用意されていれば表示されます。
  メッセージが表示されている時、もう一度ヘルプボタンを押すと、メッセージウインドウは 消去されます。