HOME 2022/09/01

使ったり使わなかったりしたFPGAボード

 コンソールゲーム互換機を実装するにあたって使用したTerasic社製のDE(Development and Education)シリーズFPGAボードを紹介します(2022年時点)。 「FPGAで何か作りたいけど、どのFPGAボードを買えばいいの?」という方などに参考になれば。 2005年頃までは、[FPGAプロトタイプボードをさがせ] みたいなサイトもありましたが更新はされていないようです。
 Terasic社は、 旧Altera(2015年にIntelに買収された)のACAP(Altera Consultant Alliance Program)パートナーであったこともあり、 旧AlteraのFPGAであるStratixシリーズ、Cycloneシリーズ、MAXシリーズを中心としたFPGAシステムなどを手掛けています。
 特に今回は、無償版のQuartusで開発可能なCycloneシリーズのFPGAボードを中心に紹介します。 周辺デバイスを使ったサンプルHDLや回路図などそろっている所もポイント高いですね。 機能としても、USB-Blaster回路が載っていたり、省電力であればUSBバスパワーで使えたりするのもうれしいところ。
 ちなみにゲーミングFPGAボードとしては、映像およびサウンドの出力コネクタが搭載されていること、 デバッグのためのLEDや7seg、スイッチやボタンが付いていること、 作りがしっかりしていてアクリル板で保護されていることなどが特徴です。

DE1 Cyclone II 2C20$1502005年発売
初手からいきなり(容量以外は)ほぼ要求を満たすボード。 VGA出力やサウンド出力を備えていて、USBバスパワーで使用できるのもお手軽。 スーファミ全実装としてはLE数が足りなかったので、サウンド部分は実機のサウンドモジュールを、 ゲームパッドはDualShockをGPIOに接続して使用(どちらも3.3Vで動作)していた。 また、スーファミサウンド再生機能のみであれば実装可能で、ファミコンを実装するのにもちょうど良い感じ。 最初の頃は、RS-232のUARTでFPGAとPCでデータを送受信していた。 CycloneIIという古いFPGAなので、QuartusII Ver.13.0sp1までしかサポートされていない。 生産終了品。

DE0 Cyclone III 3C16$119→$141→$155→$1622009年発売
非常にお手軽に使用できる一品で、当時入門用に買った人を多く目にしたFPGAボード。 これもUSBバスパワーで使用可能。 LE数としてはDE1より若干少ないが、スーファミサウンド再生機能の実装、もしくはファミコンの実装が可能。 DEシリーズ宜しくSDカードスロットが付いているので便利。 出力はVGAでサウンドはGPIOから。 ちょっとした回路のテストをするにはもってこいのやつ。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。

DE2-115 Cyclone IV E EP4CE115$595→$675→$714→$720→$7622010年発売
CycloneIV Eとしては最大規模のLE数と内蔵メモリ量を誇り、スーファミを余裕で実装可能。 ただし価格がそれなりにお高いので、普通は手が出ず経費でなんとかする。 GPIOの片方はHSMCなので、オプションの拡張カードでGPIOを増設する必要がある。 使用には電源アダプタからの電源供給が必要。 USBホストチップが載っていて、USBゲームパッドを使用可能なのが地味に良い。 VGAもDACチップによりRGB各8bitなので色がきれいに出せる。 外部メモリも豊富なのでプレステもこれで作っているところ。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。
2022年5月に値上げ。
2022年9月に PR-115(Terasic Developer Kit for Intel Pathfinder for RISC-V) として$449でリリース。実質的な値下げ?

DE0-CV Cyclone V 5CEBA4$150→$164→$180→$195→$2002014年発売
安価でコンパクトながらもスーファミがまるっと実装できるボード。 USBバスパワーでお手軽に使用可能。 サウンドDACが搭載されていないのでそこはGPIOから出力。 ゲーム操作はPS/2ポートにキーボードを接続してごまかしている。

このあたりまでのFPGAボードにはFTDIのチップを使用したUSB-Blaster機能が搭載されており、 VirtualJTAGを埋め込めばUSB経由でデータの送受信が可能なので、 別途RS-232で接続する必要がないのが嬉しい。 (最近のDEボードはCypressのチップを使用したUSB-BlasterIIなので別途調査が必要)

ちなみに、ほぼ同じ型番のFPGAがAnalogue社のSuperNt(スーファミ互換機)やMegaSg(メガドライブ互換機)に使用されている。 SuperNtもMegaSgも買ってしまった。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。
2022年5月に値上げ。

DE10-Nano Cyclone V SE SoC 5CSEBA6$130→$170→$208→$210→$2152017年発売
様々なコンピュータハードウェア互換機を実装するMiSTerプロジェクトでベースFPGAボードとして使用。 MiSTerシステムとしてSDRAMカードやIO拡張カードなどがオープンソースハードウェアとして、 また内蔵Cortex-A9プロセッサを使うためのフレームワークも公開されている。 このためMiSTerフレームワークを使用すれば、 DDR3 SDRAMやHDMI出力などを容易に使用できるようになっている。 Intel486プロセッサなども実装され、PC互換機としてなんとWindows95も動く。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。
2022年5月に値上げ。

↓積み基板

DE2 Cyclone II 2C35$4952005年発売
スーファミの実装にあたって回路規模を見積もった時に、 DE1の1.75倍のLE数があるこちらを本当は購入したかった。 しかし価格がDE1の3倍以上であったため怖くて手が出なかった。 結局のところ、スーファミ全実装には内蔵メモリが足りないわけで、 初期検証用としてはDE1で十分だった。 生産終了品。

DE2-70 Cyclone II 2C70$599→$5252009年発売
DE2の後継として、CycloneIIシリーズ最大のLE数を誇るこのボードが発売されたが、 当時はDE1で検証出来ていたこともあって見送った。 こちらは内蔵メモリもある程度ありスーファミ全実装が可能。 発売1年ほどしてDE2-115が出たもんだから、こちらはプライスダウンした模様。 生産終了品。

DE0-Nano Cyclone IV EP4CE22$79→$93→$95→$1002011年発売
[2017年に学ぶべき年収の高いプログラミング言語]としてトップにVerilogHDLが選ばれたことに伴い、 FPGAが再度注目を浴びることとなった。 この時安価に販売されていたDE0とこのボードが入門用に多く売れていた印象。 ファミコンくらいなら実装できるLE数がある。 GPIOが出ているだけであり、ゲーミング的には拡張ボードが必要。 拡張ボードとしてCQ出版社から[DE0-EXT1]が出ていたが現在は販売終了。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年5月に値上げ。

Cyclone V GX Starter Kit Cyclone V GX 5CGXFC5$179→$209→$242→$2452013年発売
通称「C5G」で、なぜかDEシリーズの名を冠しなかったボード。 LE数と内蔵メモリ共に要件を満たしており、おそらくスーファミ全実装が可能。 ただしメインメモリがLPDDR2のためレイテンシが気になるところ。 GPIOが左右に分かれているのは使いづらい印象。 映像出力はHDMIをサポート。 当時買おうか迷っている間にDE2-115を入手できたのでこちらは見送った。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。

SoCKit Cyclone V SX SoC 5CSXFC6$3502013年発売
この後に出るDE10-Standardと同じSoC FPGAが搭載されていて、 DDR3メモリがSoCのFPGA側とHPS側それぞれに搭載されているのが特徴。 GPIOを使用するにはHSMC拡張ボードが必要。 生産終了?

DE1-SoC Cyclone V SE SoC 5CSEMA5$249→$294→$336→$345→$3552014年発売
DE1の後継と考えて購入したが、まだ出番はない。 VGA出力とサウンド出力はFPGAから操作できるが、 SDカード読み込みのためには内蔵Cortex-A9を使用する必要があり、 FPGAを使うのにCプログラムを書くのが本末転倒に思えてくる。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。
2022年5月に値上げ。

DE0-Nano-SoC Kit / Atlas-SoC Kit Cyclone V SE SoC 5CSEMA4$99→$132→$164→$1662015年発売

CycloneV SoCのエントリー的な位置付けのボード。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年5月に値上げ。
生産終了品。

DE10-Lite MAX10 10M50$85→$95→$102→$105→$1302016年発売
MAX10の勉強用に購入。 非常にコンパクトなFPGAボード。 スーファミを実装するのにLE数は十分だが、内蔵メモリがちょっと足りない。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。
2022年5月に値上げ。

DE10-Standard Cyclone V SX SoC 5CSXFC6$350→$387→$455→$460→$4802017年発売
豊富なペリフェラルが搭載されており、スーファミを実装するには十二分なスペック。 盛り込めるものは全部盛り込んでみた的な一品。 HDMIがなくて未だにVGAなのがアレ。

2021年4月に半導体不足の影響か値上げされた。
2021年12月に再度値上げされた。
2022年1月に再度値上げ。
2022年5月に値上げ。

 いや別にDEシリーズコレクターというわけでは…(コレクターだよ)。XilinxのFPGAボードを試す機会が無かっただけで。 でもDEシリーズのボードを使っていたおかげで本家にも認知 [Terasic FPGA Project Showroom] していただいて嬉しい限り。

 紹介したFPGAボードもヤフオクやメルカリでそれなりに出品されていますが、 多くは中古なのであまりオススメはしません。 やはり買うならトラブルの少ない新品が良く、 学生さんならアカデミック価格で約3割引きで買えるし、 会社員なら経費で購入してもらいましょう。

 実際に並べてみた。
ほんとはゲーミングFPGAボードらしくLEDや7セグを光らせたかったけど、電源の取り回しが面倒だったのでね…。 この規格化されたパッケージサイズ、青い基板とアクリル保護で統一されたボード、 スーファミ好きコレクターとしてはくすぐられるものがあるように思う。



Quartus(FPGA用IDE)について

 旧AlteraおよびIntelのCyclone FPGA向けに、HDLを論理合成・配置配線するための開発環境として、 現在Intelで公開されているQuartusの無償版を使用する。 いつ非公開になってもいいようにインストーラはローカルに保存しておこう。

・[QuartusII 13.0sp1 WebEdition]
 CycloneIIをサポートしている最終バージョン。 DE1ボード向けにはこれを使用する。

・[QuartusII 13.1 WebEdition]
 CycloneIIIをサポートしている最終バージョン。 DE0ボード向けにはこれを使用する。 Update4があるのでそれも適用しておく。

・[QuartusPrime 17.0 LiteEdition]
 CycloneIV、CycloneVは最新版のQuartusPrimeでもサポートされているが、 MiSTer界隈ではこのバージョンが好んで使用されているようだ。 Update2があるのでそれも適用しておく。





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