第63章 睡蓮逢
かえでの並木林の先には寺か武家屋敷にあるような門が構えていた。その脇にパイプ椅子を置いて、つかれた女が座っていた。こちらに気づく様子もなく、ボーっと地面の落ち葉を見つめていた。
 
 
  第62章 バス初心者のための手引
1.運転手とバスガイドによる面接 2.乗客への自己紹介 3.ミルトバスによる実地試験
 
 
  第61章 三月秋涼
その谷には一本の川が流れていて、下流では他の川と合流している。右から少年、左からねえさん、そして正面からはじいさん。
 
 
  第60章 らくらくらく
尽きた。切れた。出ない。なくなった・・・おしゃべりだった男は、ある日を境に一言も話さなくなった。使い果たした男は、人から聞いた言葉をストックし、その中から使いきりでしか話すことができなくなった。
 
 
  第59章 バロ・コミュ & エル・フルーレ
2人の名前は交換された。欣喜階梯はそのままに、もう呼び合うことさえできなくなる。さらに悲しい世界に落ちてゆく。
 
 
  第58章 きいろぬめぬり
住処を失った家族はいつしか、ぬめぬりとなり人々の住処を襲う。少年の前に現れたのは能無しの陰陽師の子孫とその守護霊。そして世界は、復活したきいろぬめぬりに覆い尽くされようとしていた。
 
 
  第57章 →(右の草道)
禍信伝通。右と左、手前と奥、上と下。ただバランスが崩れただけでは何も起こらんよ。それがミーカハーグの基本。
 
 
  第56章 青色空白
はじめて見るものを、記憶の中の何かと結び付けようとするのはいたって自然なこと。でもいつか、それさえできなくなる時がくる。
 
 
  第55章 ボナンザグラミティー
父が探していた古書は、私が少年のころにカスバの木の下に埋めたものだろう。たとえまだ残っていたとしても・・・
 
 
  第54章 磁流
砂漠の街に流れる風は、旅人を誘いその像を写しだす。かつて訪れた者、それが幻に消えることはあるのだろうか。
 
 
  第53章 マイローズイン
ボア西の丘を越えたところに建ってるよ、その建物なら。行くんなら予約しといたほうがいい。あそこのベーズパイはうまいらしい。
 
 
 
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